AI Overviews(AIによる概要)2025年の拡大と影響を総まとめ|200ヶ国展開、CTR低下、引用されるための対策
2024年5月に米国でスタートしたGoogle検索のAI機能「AI Overviews(AIによる概要)」は、2025年に入って急速に拡大し、検索の常識を大きく変えつつあります。
この記事では、AI Overviewsの2025年の展開状況、SEOへの具体的な影響データ、そしてサイト運営者が取るべき対策を総まとめします。
AI Overviewsの2025年 展開タイムライン
まず、AI Overviewsの展開がどのように進んできたかを時系列で整理します。
2023年5月 SGE(Search Generative Experience)として米国Search Labsでテスト開始
2024年5月 「AI Overviews」に名称変更。米国で一般公開
2024年8月 日本を含む6ヶ国に展開(英国・インド・インドネシア・メキシコ・ブラジル)
2024年10月 100ヶ国以上に拡大。Search Labs登録不要に
2025年3月 ヨーロッパでテスト開始(ドイツ・スペイン・スイス・イタリア)
2025年5月 Google I/O 2025で200ヶ国以上・40言語以上への拡大を発表。月間15億人が利用
2025年5月 AI Overviews内への広告掲載を開始(米国)
2025年5月 Gemini 2.5(最新AIモデル)をAI Overviewsに搭載(米国)
わずか2年でテスト段階から月間15億人が利用するグローバル機能へと成長しました。Googleの検索責任者Liz Reid氏はAI Overviewsを「ここ10年で最も成功した検索機能の一つ」と述べています。
AI Overviewsはどれくらい表示されているのか
AI Overviewsがすべての検索で表示されるわけではありません。2025年の表示状況を見てみましょう。
表示率の推移(2025年)
Semrush社が1,000万以上のキーワードを分析した調査によると、AI Overviewsの表示率は以下のように推移しています。
■ 2025年1月:約6.5%
■ 2025年7月:約24.6%(ピーク)
■ 2025年11月:約15.7%
年の前半に急増した後、後半はやや落ち着いています。これはGoogleが表示の品質を改善するために調整を行っていると考えられます。
また、seoClarity社の調査では、米国デスクトップ検索の約30%でAI Overviewsが表示されているという結果も出ています(2025年9月時点)。
表示されやすいクエリの特徴
AI Overviewsはすべての検索に表示されるわけではなく、特定の種類のクエリで表示されやすい傾向があります。
■ 情報型クエリ(〇〇とは、〇〇の方法):AI Overviewsの約84%を占める
■ 取引型クエリ(商品購入系):12.5%まで増加傾向(2025年9月時点)
■ ローカルクエリ(近くの〇〇):ほぼ非表示(0.14%程度)
つまり、「知りたい」系の検索クエリが最も影響を受けているということです。用語解説やハウツー系のコンテンツを提供しているサイトは、特に注意が必要です。
SEOへの影響|データで見る現実
AI Overviewsの拡大は、SEOにどのような影響を与えているのでしょうか。複数の調査データから読み解きます。
1. クリック率(CTR)の大幅な低下
最も大きな影響は、オーガニック検索のクリック率低下です。
- CTR低下のデータ
- Seer Interactive社が42社・2,510万インプレッションを分析した調査(2025年9月)では、AI Overviewsが表示されたクエリのオーガニックCTRは1.62%→0.61%に低下。前年比で約62%のCTR減少が確認されています。
BrightEdge社の調査でも、AI Overviews表示時のCTRは平均30%低下と報告されています。
これは、ユーザーがAI Overviewsの回答で満足し、そのまま検索を終了する「ゼロクリック検索」が増えていることを意味します。
2. 「引用されること」がCTRを左右する
一方で、AI Overviewsに引用されているサイトは状況が異なります。
- 引用とCTRの関係(Seer Interactive社調査)
- ■ AI Overviewsに引用されているサイト → 引用されていないサイトよりオーガニッククリックが35%多い
■ 広告クリックに至っては91%多いつまり、AI Overviewsの中で「参照元」として表示されるかどうかが、トラフィック獲得の分かれ目になっています。
3. 引用されるのは上位ページが中心
seoClarity社が43万2,000キーワードを分析した結果、AI Overviewsの引用元には明確な傾向があります。
■ AI Overviewsの97%がオーガニック検索のトップ20から少なくとも1つの情報源を引用
■ 各AI Overviewsは平均5つのURLをトップ20から引用
■ 検索1位のページがAI Overviewsに表示される確率は50%以上
このデータから、従来のSEOで上位を獲得しているサイトがAI Overviewsでも引用されやすいことがわかります。「SEOが無意味になる」のではなく、むしろSEOの基盤があってこそAI Overviewsにも引用されるという関係です。
4. AI Overviewsの回答が短くなっている
興味深い変化として、AI Overviewsの回答文の長さが大幅に短縮されています。
seoClarity社の分析では、AI Overviewsの平均文字数が2025年7月の約5,300文字から8月には約1,600文字へと、約70%短縮されました。
これは、Googleがより簡潔な回答を目指していることの表れであり、同時にAIが答えきれない詳細情報はウェブサイトで確認するという行動を促す可能性があります。
日本での現状
日本では2024年8月にAI Overviewsが導入されましたが、2025年現在も表示されるクエリは限定的で、情報型クエリ(「〇〇とは」「〇〇 方法」など)が中心です。
また、2025年9月9日には関連機能であるAI Modeの日本語対応も開始されており、日本市場でもAI検索の影響は着実に拡大しています。
- 日本のサイト運営者が知っておくべきこと
- ■ 日本でのAI Overviews表示率は米国より低いが、今後の拡大は確実
■ AI ModeのSearch Console・GA4でのトラッキングは現時点で不完全(Googleは改善予定と表明)
■ 今のうちにAI検索対策の基盤を整えておくことが先行者優位につながる
AI Overviews時代のSEO対策
AI Overviewsの引用元として選ばれるために、サイト運営者が取り組むべき対策を整理します。
1. 従来のSEOを疎かにしない
AI Overviewsの引用元の97%がトップ20にランクインしているサイトであることから、従来のSEOで上位を獲得することが最優先です。AI Overviews対策は、SEOの延長線上にあります。
2. 引用されやすいコンテンツ構造にする
■ 質問に対する簡潔な回答が明確に書かれている
■ 定義・手順・比較が箇条書きや表で整理されている
■ 結論が先に書かれている(結論ファースト)
■ 独自の調査データ・事例が含まれている
3. 構造化データを整備する
構造化データの設定により、AIがコンテンツの内容を正確に理解しやすくなります。特にFAQPageとHowToの構造化データは、AI Overviewsの引用元として選ばれやすいと言われています。
4. E-E-A-Tを強化する
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の高いコンテンツは、AI Overviewsでも優先的に引用される傾向があります。著者情報の明示、一次情報の提供、定期的な情報更新を心がけましょう。
5. 「引用される」ことをKPIに加える
従来のSEOでは「検索順位」と「クリック数」が主なKPIでしたが、AI Overviews時代では「AIの回答に引用されているか」も重要な指標になります。
定期的に自社に関連するキーワードでGoogle検索を行い、AI Overviewsに自社サイトが引用されているかをチェックする習慣をつけましょう。
まとめ
- この記事のポイント
- ■ AI Overviewsは2025年5月に200ヶ国以上・40言語以上に拡大。月間15億人が利用
■ 表示率は全クエリの約15〜30%。情報型クエリが中心(約84%)
■ AI Overviews表示時のオーガニックCTRは前年比約62%低下
■ ただし引用されているサイトはクリックが35%多い。引用されるかどうかが分かれ目
■ 引用元の97%がオーガニック検索トップ20のサイト。SEOの基盤が重要
■ 日本でも影響は拡大中。今のうちにAI検索対策の基盤を整えることが先行者優位に
AI Overviewsの拡大により、「検索1位=最も多くのクリックを得られる」という従来の常識が変わりつつあります。
しかし、データが示すのは「SEOが不要になった」のではなく「SEOの上にAI対策を重ねる必要がある」ということです。質の高いコンテンツを作り、検索上位を獲得し、その上でAIに引用される構造を整える。この二段構えの対策が、これからのサイト運営に求められています。
AI検索時代の最適化について詳しく知りたい方は、当サイトの「LLMO・AIO・GEOの違いを徹底解説」や「AI Overviewsとは?引用されるための7つの対策」もあわせてご覧ください。