たくさん書いても評価されない?|Googleが見る"労力(effort)"の正体
時間をかけて、文字数もたっぷり書いたのに、なぜか評価されない。
SEO対策に取り組む中で、そんな経験はないでしょうか。
実は、Googleがコンテンツの品質を評価する基準のひとつに「労力(effort)」という項目があります。ただしこの「労力」は、多くの人がイメージする”かけた手間や時間”とは少し違う意味で使われています。
今回は、Googleの品質評価ガイドラインにある「労力(effort)」の本当の意味を、元Googleの品質評価者であるSEOコンサルタント・Cyrus Shepard(サイラス・シェパード)氏の解説をもとに読み解きます。
「たくさん書けば評価される」という誤解を手放し、AI時代に本当に評価されるコンテンツの条件を確認していきましょう。
Googleのいう「労力(effort)」とは
「労力(effort)」は、Googleが品質評価者向けに公開している検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)に登場する、ページ品質を判断するための観点のひとつです。
ガイドライン内で100回以上も言及される、重要なキーワードです。
定義は「人が実際に手をかけた度合い」
Googleは労力を、「満足のいくコンテンツを作るために、人間がどれだけ能動的に取り組んだか」という趣旨で定義しています。
ポイントは、単なる作業量ではなく「人の手による工夫の跡が、ページ上に現れているか」という点にあります。
労力≠文字数・時間・人間かAIか
ここが最も誤解されやすいところです。シェパード氏は、次の3つは労力の直接的な評価基準ではないと指摘しています。
■ かけた時間 … 裏で苦労したかどうかは、読者には見えない
■ 人間が書いたかAIが書いたか … それ自体は基準ではない
たとえばAIを使えば、大量の文章を短時間で生成できます。しかしそこに「その人ならではの工夫」がなければ、労力の証拠があるとは見なされません。
逆に、文章が短くても、独自の視点や一次情報が詰まっていれば、労力は高く評価され得ます。
つまり評価されるのは「どれだけ頑張ったか」ではなく「頑張った結果がページに現れているか」ということです。
Googleが見る「労力の証拠」
では、具体的にどのような要素が「労力の証拠」として見られるのでしょうか。シェパード氏が挙げるポイントを整理すると、次のようになります。
1. キュレーションと編集
情報を無差別に寄せ集めるのではなく、読者の目的に合わせて選び、整理し、最適化していること。「何を載せないか」を判断する編集の目が、労力の跡として評価されます。
2. 独自の付加価値
AIや自動化ツールを使うこと自体は否定されません。問題になるのは、テンプレートで大量展開しただけのページです。独自のデータ、実体験、ユーザーレビュー、オリジナルの図版など、他にはない価値が加わっているかが問われます。
3. 一次情報とオリジナルのメディア
ネット上の既存情報を要約しただけでなく、一次体験・独自調査・独自の視点が含まれているか。画像も、ストック素材の使い回しではなく、自分で撮影した写真やスクリーンショットなど「証拠」を示すことが重視されます。
4. 水増しコンテンツの排除
キーワード対策や滞在時間稼ぎのための、長い前置きや不要な「歴史」などの水増しを避けること。読者が最も求める答えを、ページの目立つ位置に配置することが、かえって高評価につながります。
5. 質の高い議論・考察
事実を並べるだけでなく、証拠に基づいた独自の判断や見解、例外的なケースや細かな条件まで踏み込んで解説していること。ここに書き手の専門性が表れます。
6. UGC(ユーザー生成コンテンツ)の扱い
フォーラムやSNSのようなUGCページでは、参加者数・会話の深さ・多角的な視点などが、「総体としての人の労力」として評価されます。
■ 読者の目的に沿って情報を取捨選択・編集しているか
■ 独自データ・実体験・オリジナル図版など、他にない価値があるか
■ 自分で撮った画像や一次情報を示せているか
■ 前置きや水増しを削り、答えを目立つ位置に置いているか
■ 事実だけでなく、独自の考察や例外条件まで踏み込んでいるか
2024年の流出資料が示す「contentEffort」
「労力」が評価に関わることは、別の角度からも裏付けられています。2024年に流出したGoogleの内部ドキュメントには、「contentEffort」や「ugcDiscussionEffortScore」といった、労力を推定するとみられる指標の記述が含まれていました。
流出資料に指標名が存在したことと、それが実際のアルゴリズムでどう使われているかは別の話です。
具体的な利用方法は公表されておらず不明です。ここでは「労力という概念をGoogleが重視していることの傍証」として捉えるにとどめ、断定は避けるのが適切です。
AI時代に「労力」をどう示すか
生成AIで手軽にコンテンツを量産できる時代だからこそ、「労力の証拠」は差別化の武器になります。ポイントは、AIで簡単に量産できるものの”逆”を狙うことです。
AIには出せない「3つの要素」を入れる
シェパード氏は、高評価を得やすいコンテンツの条件として、次の3つを挙げています。
■ 一次体験(しかも「証拠」を伴うもの)
■ ほかの誰も知らない事実(独自データ・独自の発見)
これらは、いずれもAIが既存情報から量産できるものの対極にあります。
逆にいえば、この3つを意識するだけで、AIで薄く量産されたページとの差がはっきりします。
「本当に必要なページか」を先に問う
労力の観点は、記事を増やす前の判断にも使えます。
AIで「作れるか」ではなく「本当に必要か」「自分たちにしか出せない価値があるか」を先に問うことで、水増しページの量産を防げます。
これは、薄いページを増やすほど評価が下がりやすいというGoogleの傾向とも一致します。
まとめ
Googleの品質評価における「労力(effort)」について解説しました。
■ 評価されるのは「人の工夫がページに現れているか」
■ 証拠は、編集・独自の付加価値・一次情報・水増し排除・考察・UGC
■ 2024年の流出資料にも労力に関する指標がみられた(ただし利用法は不明)
■ AI時代は「人の要素・一次体験・独自の事実」で差がつく
「たくさん書いたか」ではなく「そのページにしかない価値を、読者に伝わる形で示せているか」。これが、労力という評価基準の本質です。がんばりの”量”ではなく”跡”を残すことを意識していきましょう。
なお、労力はコンテンツ品質評価の一部です。より広い評価軸についてはE-E-A-Tの強化方法やヘルプフルコンテンツアップデートの影響と対策もあわせてご覧ください。また、AIに取り上げられる書き方についてはAI検索で”推薦”される書き方で解説しています。