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AI検索で"推薦"される書き方|日本のAI回答約4万件でわかった「推薦の文法」

AI検索で"推薦"される書き方

「AIに引用される対策はやってきたけれど、肝心の比較検討の場面で、自社が”おすすめ候補”に入れているのだろうか」——AI検索への対応を進める中で、こんな疑問を持つ方が増えています。

ChatGPTやGoogle AI Modeでは、ユーザーが「おすすめは?」「比較して」「料金は?」と尋ねると、AIが複数の選択肢を並べて推薦します。このとき自社が推薦リストの中に入れているかどうかが、AI検索時代の新しい勝負どころです。

本記事では、日本のAI検索(ChatGPT・Google AI Mode)の比較検討系AI回答約4万件(41,264件)を分析したGMO TECHの調査をもとに、AIがブランドや商品を推薦する「文法」と、明日から使える具体的な書き方を解説します。

「引用」と「推薦」は別物——AI検索の新しい勝負どころ

AI検索対策というと「AIに引用されること(LLMO)」が話題になりがちですが、実は「引用」と「推薦」は別のレイヤーの話です。ここを切り分けて考えることが、これからのAI検索対策の第一歩になります。

引用=情報源として参照される/推薦=「○○ならコレ」と薦められる

2つの違いを整理すると、次のようになります。

【引用と推薦の違い】
■ 引用(Citation)
・AIが回答を作る際に、出典・情報源として参照されること
・「〜という調査があります(出典:◯◯)」のように使われる
・対策:E-E-A-T、構造化データ、一次情報の整備など

■ 推薦(Recommendation)
・AIが「この用途ならA、この人にはB」と選択肢として薦めること
・比較検討の回答の中で、候補として名前が挙がること
・対策:用途・機能・対象者を明示する「推薦されやすい情報設計」

引用は「情報の正しさ・信頼性」が問われる場面、推薦は「誰の・どんな用途に向くか」が問われる場面、とイメージするとわかりやすいでしょう。

比較検討クエリでは”推薦”が主戦場になる

特に「おすすめ」「比較」「料金」「評判」「デメリット」といった比較検討フェーズの質問では、AIは情報を要約するだけでなく、条件ごとに商品・サービスを推薦します。

ここで自社が候補に入らなければ、どれだけ良いコンテンツを持っていても、ユーザーの選択肢にすら入りません。検索順位とは別の評価軸で「推薦されるための設計」が必要になるのです。

引用対策とあわせて読みたい
AIに引用されるための基礎(LLMO・GEO・AIO)については、LLMO・AIO・GEOの違いを徹底解説で整理しています。本記事はその先の「推薦されるための実践編」として読み進めてください。

調査でわかった「推薦の文法」5つの事実

ここからは、GMO TECHが日本のAI検索回答41,264件を分析した調査をもとに、AIがブランドを推薦する構造を5つの事実として紹介します。

なお、この調査でいう「切り口(推薦軸)」とは、AI回答内で「条件」と「推薦」を結びつける単位のことです。たとえば「初心者の方にはA、コスパ重視ならB」という回答なら、「初心者の方には」「コスパ重視なら」がそれぞれ切り口にあたります。

事実1:AIは1回答あたり平均4.15軸で”並列推薦”する

調査によると、1つのAI回答に含まれる切り口の数は平均4.15個でした。

つまりAIは「最強の1つ」を単独で推すのではなく、次のように複数の条件を並べて答える傾向があります。

【AI回答の例】
「掃除機、どれがおすすめ?」と聞くと——ペットがいるなら○○、階段が多いなら△△、静かさ重視なら□□、価格を抑えたいなら■■がおすすめです。

これは事業者にとって、狙うのは「1位」より「候補に入ること」を意味します。正解は1つではなく、複数の条件のどれかで選ばれることが大事です。自社がどの切り口でなら紹介され得るかを把握するほうが現実的だといえます。

1回答あたり平均4.15軸で並列推薦

事実2:推薦の主軸は「用途特化 × 機能特化」

切り口の出現率で全体トップを占めたのは、「用途特化(37.0%)」と「機能特化(34.8%)」の2軸でした。両者を併用する回答が共起ペアの最頻で、出現率は16.6%です。

さらに、3つの切り口を組み合わせた最頻パターンは「初心者・迷ったら × 用途特化 × 機能特化」で、全回答の5.0%に見られました。「迷っている人にも、用途で選びたい人にも、機能を比較したい人にも届く」汎用性の高い型といえます。

【AIが取りやすい推薦の型】
■「○○用途なら、このブランド」
■「○○機能に強いなら、このブランド」
■「○○用途で、かつ○○機能を重視するなら、このブランド」

つまり、抽象的に「高品質」「業界トップクラス」と書くよりも、どの用途に向くか・どの機能に強いかを具体的に書くほうが、AIの推薦構造と噛み合いやすいということです。

事実3:質問タイプによってAIの”応答性格”が変わる

同じブランドでも、ユーザーの質問タイプが変わると、AIが前面に出す推薦軸は大きく変化します。質問タイプ別の傾向を整理すると、次のようになります。

【質問タイプ別の傾向】(件数/平均切り口数/特徴的な上位切り口)
■ 料金・価格:11,382件/3.45/予算・価格帯(53.0%)、プラン階層、季節タイミング
■ おすすめ:10,554件/4.74/用途特化、機能特化、初心者・迷ったら
■ メリデメ:5,834件/3.82/用途特化、機能特化、リスク・トラブル(29.9%)
■ 評判・口コミ:3,307件/5.04/機能特化、安定・安心(42.3%)、リスク・トラブル(29.8%)
■ 選び方:407件/5.81/全質問タイプで最多軸

注目すべきは「料金・価格」質問です。ここでは主軸の「用途特化」「機能特化」が後退し、代わりに「予算・価格帯」「プラン階層」「季節タイミング」「購入チャネル」など、価格そのものだけでなく”経済動線”全体で答えが組み立てられます。

そのため料金ページでは「月額○○円」とだけ書くより、プラン別の比較、月額・年額の違い、キャンペーン時期、購入チャネルの差、割引条件などをセットで整理するほうが、料金系AI回答と整合しやすくなります。

また「評判・口コミ」質問では、「安定・安心(サポート体制)」と「リスク・トラブル」が両方とも上位に並びます。AIは評判を聞かれると、強みだけでなく注意点もセットで併記する傾向があるということです。

事実4:ChatGPTとGoogle AI Modeでは回答構造が異なる

同じ調査の中で、ChatGPTとGoogle AI Modeでは回答の構造に明確な違いが見られました。

【ChatGPT と Google AI Mode の構造差】
■ ChatGPT
・平均切り口数:3.83軸
・1軸のみで答える応答:8.0%
・「価格・コスパ」を比較的重視(24.5%)
・焦点型〜網羅型まで、質問の具体性で構造が変わりやすい

■ Google AI Mode
・平均切り口数:4.58軸
・1軸のみで答える応答:3.0%
・「機能特化」が突出(42.1%/ChatGPTより約12pt高い)
・短いクエリでも多軸・網羅的に答える傾向

ざっくり言えば、ChatGPTは「冒頭に結論を置く型」、Google AI Modeは「網羅型」を好むということです。両方を狙う書き分けは、後半の章で具体的に解説します。

あわせて読みたい
ChatGPT・Google AI Modeそれぞれの最適化の基本は、AI Mode(AIモード)とSEOへの影響でも解説しています。

事実5:「大手だから安心」より「○○な人には」型が多い

意外だったのが、権威性の訴求が思ったより効いていないという結果です。推薦軸の出現率を比べると、次のようになりました。

【推薦軸の出現率】
■ 機能特化:34.8%
■ 初心者・迷ったら:22.9%
■ 価格・コスパ:22.7%
○○な人には(利用者属性):23.8%
大手・知名度・歴史:7.1%

「大手・知名度・歴史」軸はわずか7.1%にとどまった一方、当初の仮説になかった「○○な人には」型(利用者属性別)が23.8%と、約3.4倍も多く現れました。

これは「大手であること」が無意味という話ではありません。AIが候補を選ぶ段階ではブランド信頼性を参照している可能性はあります。ただしAI回答の表面に出る推薦軸としては、「大手だから安心」より具体的な条件表現のほうが多いということです。

【「○○な人には」型の例】
■ 敏感肌の方には ■ 軟毛の方に ■ 30代におすすめ
■ 子育て世帯向け ■ 初めて利用する方に ■ 法人利用を考えている方には

特にコスメ・ヘアケア・ファッションなど、身体的特性や好みが選択基準になりやすいジャンルで、この傾向が強く出ています。

※調査データについての注記
本記事のデータは、GMO TECH株式会社の調査「AI検索でブランドが推薦される”文法”とは?」(2026年6月公開)によります。データ取得元はAhrefs Brand Radar API、2026年5月時点のスナップショットです。調査はAI回答に出現した推薦軸を分類した観測分析であり、紹介した示唆は観測データに基づく設計仮説です。AI回答は取得時期・質問文・プラットフォーム仕様・モデル更新により変動する可能性があります。

明日からできる「推薦される書き方」4原則

ここまでの5つの事実を、実際のコンテンツ制作に落とし込むと、ジャンルを問わず押さえたい原則が4つあります。

原則1:用途と機能を「具体名」で書く

最優先は、製品ページ・LP・解説記事に「用途」と「機能の強み」を具体的に明示することです。

■ ○○用途には本製品が向いています
■ 本製品は○○機能に強みがあります
■ ○○業務で使う場合は、この機能が役立ちます

「高品質」「使いやすい」「多機能」といった抽象表現ではなく、どの用途に向くか・どの機能に強いかを具体名で書くのがポイントです。これが推薦の主軸「用途特化×機能特化」と噛み合います。

原則2:「○○な人には」型の見出しを1つ加える

次に、利用者属性別の小見出しを1ページ内に加えます。

■ 初心者の方/本格的に使いたい方
■ 価格を重視する方/サポートを重視する方
■ 法人利用を検討している方
■ (業種特性に応じて)敏感肌の方/子育て世帯の方 など

「誰に向いているか」を言語化すると、出現率の高い「○○な人には」型の推薦構造に乗りやすくなります。

原則3:知名度は「迷ったら定番」の文脈とセットで

「老舗」「大手」「業界トップシェア」といった表現は信頼性を伝えるうえで重要ですが、それ単独では推薦軸として弱いことがわかりました。そこで、次のような文脈と組み合わせて使うのが有効です。

■ 初めて選ぶなら/迷ったらまず検討したい
■ 定番として比較対象に入れたい
■ 長く使いたい方に/サポート重視の方に

大手であること自体より、「どんな不安を持つ人にとって安全な選択肢なのか」を言語化することが大切です。

原則4:弱点・向かない人を能動的に開示する

評判・口コミ系の質問では「リスク・トラブル」が約3割の回答で出現しました。AIは評判を聞かれると、良い点だけでなく注意点も併記する傾向があります。

そのため「良いところだけ書くコンテンツ」は、評判系AI回答と整合しにくい可能性があります。反対に、次のような情報を整理しておくと有利です。

■ 向いている人/向いていない人
■ 注意すべき利用条件
■ 他社を検討したほうがよいケース
■ よくある不満とその対処法

ただし医療・金融・健康食品・美容医療など、広告規制やガイドラインとの接触面が大きい領域では、表現に注意が必要です。

ChatGPTとGoogle AI Mode、両取りする構成

事実4で見たとおり、ChatGPTとGoogle AI Modeは回答構造が異なります。1つの記事で両方を狙うなら、「結論先出し」と「カテゴリ別網羅」を1本の中で両立させるのが有効です。

【両取りの構成ルール】
■ ChatGPT対応:冒頭で「迷ったら○○」「○○用途なら本製品」のような結論型の言い回しを置く
■ Google AI Mode対応:本文を機能カテゴリ別・用途別・利用者属性別の小見出しで網羅的に構成する

つまり「冒頭で明確な結論を示し、本文で網羅する」という、人間の読者にとっても親切な構成が、結果的に両プラットフォームに効くということです。

推薦される情報設計チェックリスト
□ 用途を具体名で書いているか(「○○用途に向く」)
□ 機能の強みを具体名で書いているか(「○○に強い」)
□ 「○○な人には」型の小見出しが1つ以上あるか
□ 知名度・実績を「迷ったら定番」の文脈と組み合わせているか
□ 向かない人・注意点を開示しているか
□ 冒頭に結論型の一文があるか(ChatGPT対策)
□ 本文がカテゴリ別に網羅されているか(AI Mode対策)

まとめ

AI検索における「推薦の文法」について、調査データをもとに解説しました。

この記事のポイント
■ AI検索では「引用される」だけでなく「推薦される(候補に入る)」ことが新しい勝負どころ
■ AIは平均4.15軸で並列推薦する。狙うのは「1位」より「候補に入ること」
■ 主軸は「用途特化×機能特化」。「○○な人には」型が想定以上に強く、「大手だから安心」型は限定的
■ 質問タイプとプラットフォームで応答構造は変わる。結論先出し×網羅型の両立が有効

AI検索のブランド可視性は、検索順位とは別の評価軸を持ち始めています。自社がどの切り口に乗れているかを点検し、抜けている部分から整えていくことが、推薦される第一歩です。

「引用」と「推薦」は車の両輪です。引用対策についてはLLMO・AIO・GEOの違いAI ModeとSEOへの影響もあわせてご覧ください。また、AI検索での見え方を測る指標についてはAIビジビリティの用語解説で確認できます。

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