SEO対策の知識

  1. HOME
  2. SEO対策の知識
  3. 「見つけてもらう」から「薦められる」へAI検索時代のSEO戦略「見つけてもらう」から「薦...
GEOSEOテクニック

「見つけてもらう」から「薦められる」へ
AI検索時代のSEO戦略

「見つけてもらう」から「薦められる」へ

「検索順位は落ちていないのに、アクセスが減っている」

最近、こんな現象に悩むSEO担当者が増えています。原因のひとつとして考えられるのが、AIが検索結果の中で答えを完結させてしまうことです。

ユーザーがGoogleで検索しても、AI Overviewsが上部に表示されれば、わざわざリンクをクリックする必要がなくなります。ChatGPTやPerplexityに質問すれば、複数のサイトを見比べることなく答えが手に入ります。

これは、検索という行動そのものが変わりつつあることを意味します。「見つけてもらう」ためにSEOを磨く時代から、「AIに薦めてもらう」ために信頼性を積み上げる時代へ。

この記事では、AI検索時代に起きているパラダイムシフトの正体と、今日から取り組める具体的な対策を解説します。

なぜ従来のSEO指標が通用しなくなったのか

かつての検索行動はシンプルでした。ユーザーがキーワードを入力し、表示されたリンク一覧をざっと見て、気になるページをクリックして情報を集める。SEOの目的は、その「クリックされる位置」に入ることでした。

しかしいま、その前提が崩れています。

AI要約があるとクリックは減る

米調査機関Pew Research Centerの調査によると、AI要約に遭遇したユーザーは、要約を見ないユーザーと比べて他のサイトへのリンクをクリックしにくいことが明らかになっています。さらに、AI要約内で引用された出典へのクリックもまれだといいます。

国内でも同様の傾向が出ています。株式会社キーワードマーケティングの調査(2025年5月)では、AI Overviewsの影響で自然検索からの流入が減少したと回答した企業が約6割(61.9%)にのぼりました。

【流入が減少している背景】
■ GoogleのAI Overviewsが検索結果の上部を占有
■ ChatGPT・Perplexityなど生成AI経由で情報収集が完結
■ ユーザーが「リンクをクリックする前に答えを得る」行動が定着

「検索上位になっても見てもらえない」時代の到来

サイバーエージェントの調査(2025年6月)では、AI Overviewsに引用されるオーガニック検索の順位として、1位サイトの引用率は約50%にとどまる一方、2〜7位のサイトは80%以上の確率で引用されているという意外な結果も報告されています。

順位を上げることと、AIに選ばれることは、必ずしも一致しません。これが、従来の「上位表示=成果」という方程式が崩れ始めた背景です。

可視性は、クリックの前に「回答の中」で付与される時代になっています。自社ブランドがそのレイヤーに存在しなければ、そもそも検討対象に入らない可能性があります。

ユーザーの購買行動はどう変わったか

AI検索が普及することで、ユーザーが情報を集めてから意思決定するまでのプロセスが大きく変わっています。

従来の検索行動 vs AI時代の検索行動

【従来の検索行動】
キーワードで検索 → リンク一覧を確認 → 複数サイトを比較 → レビューを読む → 意思決定

【AI時代の検索行動】
自然言語で質問 → AIが候補を提示 → 1〜2の追加質問 → 行動(購入・問い合わせ)

AIファーストの行動では、従来の「調査フェーズ」がAIとの会話の中で完結します。ユーザーは複数のサイトを見て回らず、AIが提示した選択肢の中から判断します。

AP-NORCの世論調査(AP News報道)では、米国の成人の60%が情報検索にAIを使っていることが示されています。日本でも同様の傾向が広がっていくのは時間の問題といえるでしょう。

「見つけてもらう」から「薦めてもらう」へ

この変化が意味することは明確です。もはや検索結果で「見つけてもらう」だけでは不十分で、AIに「薦めてもらえる」存在になることが重要になります。

検索は、ランキング競争からレコメンド獲得へと移行しています。

AIに「薦められる」ために必要な5つの実践

「AIに推薦される確実な方法」は存在しません。ただし、AIが理解しやすく、信頼しやすく、引用しやすいサイトにするための実践的な打ち手はあります。

以下の5つは、Forbes JAPANに掲載された海外マーケターの提言をもとに、日本のSEO担当者が実際に動ける形に落とし込んだものです。

① 「売るため」ではなく「答えるため」のコンテンツを書く

AIシステムが引用しやすいのは、宣伝文句ではなく明確な説明や意思決定を助ける情報です。曖昧で宣伝的な内容は、AIにとって有用性が低いと判断されます。

コンテンツを作る際は「このページは何の問いに答えているか」を明確にすることが出発点です。

【AIに引用されやすいコンテンツの特徴】
■ 結論が冒頭に書かれている
■ 「〜とは?」「〜の方法」など問いに対する答えが明確
■ 箇条書きや表で情報が整理されている
■ 定義や手順が簡潔にまとまっている
■ 独自の調査データや一次情報がある

② 自社情報の一貫性を整える

AIシステムは、情報の一貫性によって信頼性を判断する傾向があります。自社サイト・Googleビジネスプロフィール・SNS・各種プロフィールページなどで、サービス内容や会社概要の情報がバラバラになっていると、AIに正しく認識されにくくなります。

【情報の一貫性チェックリスト】
■ 会社名・サービス名の表記がサイト内外で統一されているか
■ 事業内容・ポジショニングが各プロフィールで一致しているか
■ 住所・電話番号・URLに矛盾がないか
■ 古い情報が残っていないか

③ サイトの外側で信頼性を積み上げる

AI主導の検索環境では、第三者による言及(サイテーション)がいっそう重要になります。自社サイトの中だけでいくら情報を整えても、外部から認知・言及されていなければ、AIが「信頼できる情報源」と判断しにくくなります。

従来型のPRや専門家としての情報発信が、AI時代のSEOでも静かに効いてくる領域です。

【サイテーションを増やす方法】
■ プレスリリースの配信
■ 業界メディアへの寄稿・取材対応
■ SNSでの継続的な情報発信
■ セミナー・イベントでの登壇
■ 専門家・著者としてのプロフィール整備

サイテーションについては、E-E-A-T強化ガイドでも詳しく解説しています。

④ AIへの「問いかけ方」を意識したコンテンツ設計

AIへの問い合わせは、従来の検索キーワードとは異なります。「〇〇 おすすめ」「〇〇 比較」といったキーワードではなく、「〇〇に最適な選択肢は?」「〇〇と〇〇どちらがいいか」「もし〜ならどうすべきか」といった自然言語の問いかけが中心です。

そうした問いかけに直接答える形でコンテンツを設計することで、AIに引用される確率が高まります。

【AIへの問いかけを想定したコンテンツ例】
■「〇〇はどんな人に向いていますか?」→ ターゲット別の解説を用意する
■「〇〇と〇〇の違いは?」→ 比較コンテンツを充実させる
■「〇〇を始めるには何が必要?」→ ステップ形式の手順コンテンツを作る
■「〇〇の費用はどのくらい?」→ 価格・相場情報を明示する

⑤ 測定指標を「順位・流入」から「AIでの露出」へ拡張する

自然検索トラフィックは依然として重要な指標ですが、それだけを見ていると実態が見えにくくなっています。

ChatGPTやPerplexityからの流入は、GA4でUTMパラメータを通じて一部可視化できるようになっています。また、自社ブランド名・サービス名をAIに直接質問して回答内容を確認するという定性的なモニタリングも有効です。

【AI時代のSEO測定指標(拡張版)】
■ 従来指標:検索順位、オーガニック流入数、CVR
■ 追加指標:ChatGPT・Perplexity経由の参照流入
■ 定性確認:主要キーワードでAIに質問した際の自社言及有無
■ ブランド指標:ブランド名での指名検索数の推移

従来のSEOは捨てなくていい

従来のSEOは捨てなくていい

ここまで読んで「SEOをゼロから作り直す必要があるのか」と感じた方もいるかもしれません。しかし、そうではありません。

AIも結局はウェブ上の情報を収集・評価して回答を組み立てています。丁寧に整えられた高品質なページがなければ、AIに引用されることもありません。

GEO対策はSEOの延長線上にある

サイバーエージェントの木村氏も「AI Overviews向けのGEOは、すなわちSEOそのものだ」と述べています。基本的なSEOを磨き上げることが、間接的なGEO対策にもなるという考え方です。

【SEOとGEOの関係】
SEOの土台(E-E-A-T・構造化データ・良質なコンテンツ)
↓ その上にGEO対策を加える
↓ 検索エンジンにもAIにも評価されるサイトへ

LLMOやGEOの概念についてはLLMO・AIO・GEOの違いを解説した記事、E-E-A-Tの強化方法についてはE-E-A-T強化ガイドもあわせてご覧ください。

旧来モデルと新モデルの違いを整理する

【SEOパラダイムの変化】

■ 旧来モデル
目標:検索上位に表示される
評価:ランキング・オーガニック流入数
手段:キーワード対策・被リンク獲得

■ 新モデル
目標:AIに推薦・引用される存在になる
評価:AI経由の流入・ブランド言及・信頼性
手段:情報の一貫性・引用されやすい設計・サイテーション

どちらかを捨てるのではなく、旧来のSEOを土台にしながら、新しい評価軸に対応していくことが現実的なアプローチです。

まとめ

AI検索の普及により、SEOは「検索結果で上位に表示されること」から「AIに信頼され、推薦される存在になること」へと、その本質が変わりつつあります。

この記事のポイント
■ AI要約の普及により、検索上位でもクリックされないケースが増えている
■ ユーザーの購買行動が「検索→比較→クリック」から「質問→AI回答→行動」へ圧縮されている
■ AIに推薦されるには「答えるコンテンツ」「情報の一貫性」「外部での信頼構築」が鍵
■ AIへの問いかけ方を想定したコンテンツ設計と、測定指標の拡張も重要
■ GEO対策はSEOの延長線上にある。基本のSEOを磨くことが最初の一歩

「薦められる存在になる」ために必要なことの多くは、これまでのSEOで大切にしてきたことと本質的には変わりません。ユーザーにとって価値があり、信頼できる情報を丁寧に発信し続けること。その積み重ねが、AI時代においても評価される基盤になります。

まずは自社サイトの情報の一貫性を確認するところから、始めてみてはいかがでしょうか。

記事一覧に戻る