AI OverviewsでYouTubeが最多引用?
動画×SEOのハイブリッド戦略とは

「AI Overviewsで最も多く引用されているのはYouTubeである」…最近、こうした調査結果が話題になっていることをご存知でしょうか?
GoogleのAI Overviewsは、検索結果の上部にAIが生成した回答を表示する機能です。従来はウィキペディアや公的機関のサイトが引用元の中心でしたが、2025年後半からYouTubeの引用が急増し、現在は最も多く引用されるドメインになっています。
これはWebサイト運営者にとって無視できない変化です。AI Overviewsの引用元が「テキスト中心」から「動画を含むマルチメディア」へとシフトしていることを意味するからです。
今回は、AI OverviewsにおけるYouTubeの台頭を海外の調査データとともに解説し、Webサイト運営者が取るべき対策について考えていきます。
AI OverviewsでYouTubeが最多引用になった背景
まずは、なぜYouTubeがAI Overviewsで最も引用されるようになったのか、その背景を見ていきましょう。
AI Overviewsの表示が急拡大している
AI Overviews(AIオーバービュー)は、Googleの検索結果ページの上部にAIが生成した要約回答を表示する機能です。日本では2024年8月頃から提供が始まりました。
海外のSEOプラットフォームの調査によると、AI Overviewsの表示率は急速に拡大しており、2025年1月時点では検索全体の約6.5%だったものが、同年10月には50%を超える検索で表示されるようになったと報告されています。
つまり、Google検索の半分以上でAI Overviewsが表示される時代になりつつあります。
YouTubeが引用元トップに躍り出た
AI Overviewsで引用されるドメインにも大きな変化が起きています。
海外のSEO調査会社Surfer SEOが3,600万件以上のAI Overviewsと4,600万件の引用を分析した結果、YouTubeが約23%の引用シェアを占め、最も多く引用されるドメインとなっていることがわかりました。
2位はウィキペディア(約18%)、3位はGoogle.com(約16%)と続き、その後にRedditやLinkedInなどが並びます。
① YouTube … 約23%
② Wikipedia … 約18%
③ Google.com … 約16%
④ Reddit
⑤ LinkedIn
日本国内のデータを見ても、SEOコンサルティング会社JADEの分析では、約20万キーワードを対象にした調査で2025年9月後半以降にYouTubeのAI Overviewsでの表示が急増したと報告されています。
なぜYouTubeが選ばれるのか?
YouTubeがAI Overviewsで最も引用されるようになった理由として、いくつかの要因が考えられます。
■ YouTubeはGoogle傘下のプラットフォームであり、インデックスされやすい
■ 自動生成字幕の精度向上により、動画内容のテキスト化が容易になった
■ How-to系・解説系のコンテンツは動画の方がわかりやすいケースが多い
■ 再生回数よりも「検索クエリとの関連性」が重視されている
注目すべきは、引用されるYouTube動画は必ずしも有名チャンネルや再生回数の多い動画ではないという点です。Googleは再生数よりも「検索クエリに対する関連性」を重視してYouTube動画を選出していると考えられています。
「テキスト vs 動画」ではなく「テキスト+動画」の時代へ
YouTubeのAI Overviews引用が増えたことで、「もうWebサイトのテキストコンテンツは不要なのか?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、それは正しい理解ではありません。
テキストコンテンツは引き続き重要
AI Overviewsの引用元はYouTubeだけではありません。ウィキペディアやReddit、各業界の権威あるサイトも多く引用されています。
また、AI Overviewsは1つの回答に複数の引用元を組み合わせて表示します。テキストコンテンツ、動画、Q&Aサイトなど、異なる種類のソースを横断的に参照するのがAI Overviewsの特徴です。
動画コンテンツが「補完」として強くなっている
BrightEdgeの調査によると、AI OverviewsにおけるYouTube動画は、引用順位で3位〜10位(平均6〜10位)に表示されることが多いという結果が出ています。
つまり、動画はメインの情報源ではなく「補完的な証拠」として使われているケースが多いのです。テキストで解説された内容を、動画で実演・補足するという形です。
この傾向は、Webサイト運営者にとってむしろチャンスと言えます。テキストコンテンツとYouTube動画を組み合わせることで、AI Overviewsに引用される可能性を高められるからです。
特に伸びているジャンル
AI OverviewsでのYouTube引用は、すべてのジャンルで均等に増えているわけではありません。特に伸びが大きいジャンルがあります。
■ How-to(やり方・手順):引用増加率が最も高い。手順を動画で見せるコンテンツが好まれる
■ ビジュアルデモ:実演・実技・スタイルガイドなどのビジュアル解説
■ 商品比較・レビュー:実際に使っている様子を見せる動画
■ 健康・医療:医療関係者による解説動画(※ただし信頼性の議論あり)
■ 旅行・観光:現地の様子を伝える動画コンテンツ
Webサイト運営者が取るべき5つの対策
YouTubeのAI Overviews引用増加を踏まえ、Webサイト運営者が今取るべき対策を5つにまとめます。
①既存のテキストコンテンツをYouTube動画に展開する
すでに上位表示されている記事や、アクセスの多い記事がある場合、その内容をYouTube動画にリパーパス(再利用)するのが最も効率的な方法です。
■ How-to記事 → 手順解説動画
■ 比較記事 → 比較レビュー動画
■ 用語解説記事 → 2〜3分のショート解説動画
■ 事例紹介記事 → インタビュー・ケーススタディ動画
②記事内にYouTube動画を埋め込む
YouTube動画を作成したら、関連する記事ページに埋め込みましょう。テキストと動画の両方を同一ページに配置することで、Googleにとって「このページは関連する動画も持っている包括的なコンテンツである」と認識されやすくなります。
また、ユーザーの滞在時間の向上にもつながり、SEO全体にも好影響が期待できます。
③YouTube動画のSEOを最適化する
YouTube動画もSEOの対象です。AI Overviewsに引用されるためには、動画自体が適切に最適化されている必要があります。
■ タイトルに検索キーワードを含める
■ 概要欄に内容の要約とキーワードを記載する
■ タグを適切に設定する
■ チャプター(タイムスタンプ)を設定して内容を構造化する
■ 字幕を正確に設定する(自動生成字幕の修正を含む)
■ サムネイルをわかりやすく設計する
④AI Overviewsに引用されやすいコンテンツ設計を意識する
テキストコンテンツ側の対策も引き続き重要です。AI Overviewsに引用されるためのポイントは、当サイトの「AI Overviewsとは?引用されるための7つの対策」で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
■ 結論が冒頭に明確に書かれている
■ 定義や説明が簡潔にまとまっている
■ 箇条書きや表で情報が整理されている
■ 最新の情報に更新されている
■ E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が高い
⑤構造化データでコンテンツの種類を明示する
動画コンテンツがある場合は、VideoObjectの構造化データを実装しましょう。Googleに対して「このページには動画コンテンツがある」ことを明確に伝えることで、AI Overviewsの引用候補として認識されやすくなります。
同様に、FAQPage(よくある質問)やHowTo(手順)の構造化データも、AI Overviewsとの相性が良いとされています。
注意すべきポイント
YouTubeのAI Overviews引用が増えているからといって、闇雲に動画を量産すればよいわけではありません。

いくつか注意点があります。
YMYL領域では信頼性の担保が不可欠
健康・医療・金融などのYMYL(Your Money or Your Life)領域では、YouTube動画の引用をめぐり信頼性の問題が指摘されています。
AI Overviewsが権威ある医療機関のサイトよりもYouTube動画を優先して引用するケースがあり、情報の正確性について議論が起きています。Googleがこの問題に対応して引用基準を変更する可能性もあるため、YMYL領域では特にE-E-A-Tを意識した信頼性の高いコンテンツ作りが欠かせません。
AI Overviewsの引用基準は変化し続ける
AI Overviewsはまだ新しい機能であり、引用アルゴリズムは頻繁に変化しています。ある調査では、同じ検索クエリに対してAI Overviewsの内容が70%の確率で変わり、引用元の45.5%が入れ替わるとの報告もあります。
特定のテクニックに依存するのではなく、質の高いコンテンツを継続的に作ることが最も確実な対策です。
AI Overviewsに引用されても、クリック数に直結するとは限らない
AI Overviewsに引用されることは露出の面では大きなメリットですが、ユーザーがAI Overviewsの回答で満足してしまい、元のサイトをクリックしないケースも少なくありません。
引用されることをゴールにするのではなく、「引用された上で、サイトに来てもらえるコンテンツ」を目指すことが重要です。独自のデータや詳細な事例など、AI Overviewsの要約だけでは得られない価値を提供できるかがカギになります。
まとめ
今回は、AI OverviewsにおけるYouTubeの台頭と、Webサイト運営者が取るべき対策について解説しました。
■ Googleが動画内の音声をテキストと同様に扱えるようになったことが背景にある
■ 「テキスト vs 動画」ではなく「テキスト+動画」で相乗効果を狙うべき
■ 既存記事のYouTube動画化(リパーパス)が最も効率的な対策
■ 構造化データの実装やYouTube SEOの最適化も重要
■ AI Overviewsの引用基準は変化し続けるため、本質的に質の高いコンテンツ作りが最優先
AI Overviewsの進化は、検索の世界に大きな変化をもたらしています。しかし、この変化を正しく理解すれば、むしろチャンスに変えることができます。
テキストコンテンツの質を高めつつ、動画コンテンツも組み合わせていく。
この「テキスト+動画」のハイブリッド戦略が、AI検索時代のSEOにおいてますます重要になっていくでしょう。まずは、アクセスの多い記事を1本、YouTube動画にしてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。