GA4で見るべき重要な4つのポイント【後編】
ウェブサイト運営者がGA4で見るべき4つのポイントについて解説していきます。
GA4を使うことにより、下記の重要データを分析することが出来ます。
2.流入経路
3.サイト内の行動
4.サイトからの収益
この4つから3.サイト内の行動と4.サイトからの収益を分析し効果的に集客するための方法をここではお教えします。
前編の記事はこちらから
GA4で見るべき重要な4つのポイント【前編】
サイト内の行動
GA4を使うと、ウェブサイトの訪問者がサイト内で何をしているかを詳細に追跡できます。ユーザーがどのページを訪れ、どのコンテンツを閲覧し、どのボタンをクリックし、どのフォームを送信したかなど、具体的な行動を「イベント」として追跡できます。
これにより、ユーザー体験を改善し、コンバージョン率(成約率)を向上させるための手がかりを得ることができます。
GA4で追跡できるサイト内の行動には次のようなものがあります。
ページとスクリーン
GA4ではウェブサイトだけでなく、アプリの統計データもできます。「ページ」はウェブページ、「スクリーン」はアプリの画面を意味します。
「ページとスクリーン」レポートは、ユーザーがウェブサイトやアプリでどのページやスクリーンを閲覧したかを分析するためのレポートです。これはウェブサイトのどの部分が訪問者にとって最も魅力的であるかを理解するのに役立ちます。
このレポートでは、以下の情報を確認することができます。
①ページパスとスクリーンクラス
ユーザーがウェブサイトやアプリで閲覧したページの階層構造を示す指標です。ページパスは、ウェブサイトのページのURLのことで、スクリーンクラスは、アプリの画面のことです。
ページパスとスクリーンクラスを確認することで、ユーザーがウェブサイトやアプリでどのページを閲覧したのかがわかります。
②表示回数
特定のウェブページまたはアプリの画面がユーザーにどれだけ表示されたかを表す数値です。この数値は、ユーザーがページをリロード(再読み込み)したり、同じページに戻ったりするたびに増加します。
表示回数は、特定のコンテンツがユーザーにとってどれだけ魅力的であるかを示す指標の1つです。
③ユーザー数
特定の期間内にウェブサイトまたはアプリを訪問したユニークなユーザーの数を指します。
- 「ユニークなユーザー」とは
- 一定期間内にウェブサイトやアプリを訪れた個々の人を指します。ユーザーはブラウザーやデバイスを通じて識別され、ユーザーが何度ウェブサイトやアプリを訪問しても、それぞれがユニークなユーザーとしてカウントされます。
例えば、ある人が1日に3回同じウェブサイトを訪れたとします。その場合、ページビューやセッションなどでは3とカウントされますが、ユニークなユーザーとしては1とカウントされます。
④ユーザーあたりのビュー数
ユーザーがウェブサイトやアプリを訪れた際に、平均して何回ページを見たかを示すものです。ウェブサイトやアプリのエンゲージメント度を測る指標として、また改善点を見つけるための指標として貴重な情報を提供してくれます。
例えば、ユーザーあたりのビュー数が少ない場合は、ウェブサイトやアプリのコンテンツの改善を検討すべきです。
⑤平均エンゲージメント時間
ユーザーがウェブサイトやアプリで過ごす時間の平均値を表します。この指標はユーザーのエンゲージメント度合いを理解するために重要なもので、ユーザーがウェブサイトやアプリ内のコンテンツにどれだけ時間を費やしているか、またはそれらがどれだけ魅力的であるかを示します。
高い平均エンゲージメント時間は、ユーザーがウェブサイトやアプリに深い関心を抱いていることを示し、コンテンツが魅力的であるという良い兆候です。逆に、平均エンゲージメント時間が低い場合、ユーザーが早く離れてしまっている可能性があり、コンテンツの改善やウェブデザインの改善が求められます。
⑥イベント数
特定のアクションや行動がウェブサイトまたはアプリ上で実行された回数を指します。
これらのアクションや行動は「イベント」と呼ばれ、それらはユーザーがページを閲覧する、ボタンをクリックする、フォームを送信する、キーワード検索をするなど、ウェブサイトやアプリ内で行うさまざまなアクションを追跡するために使用されます。
⑦コンバージョン数
ユーザーがウェブサイトやアプリで行ったコンバージョンの数を表す指標です。
- コンバージョンとは
- ユーザーがウェブサイトやアプリで達成した特定の目標のことを指します。例えば、商品の購入、資料のダウンロード、お問い合わせの送信などです。
例えば、オンラインショップの場合、商品の購入がコンバージョンになります。また、無料お役立ちコンテンツだけを提供するサイトでは、メールマガジンへの登録や資料のダウンロードがコンバージョンとなる場合もあります。これらのアクションはGA4では手動で設定して、それぞれが達成されるたびにコンバージョンとして追跡されます。
コンバージョン数は、ウェブサイトやアプリの成功度を測る指標としてよく用いられます。コンバージョン数が多いほど、ウェブサイトやアプリがユーザーに受け入れられていることがわかります。コンバージョン数が少ないほど、ウェブサイトやアプリがユーザーに受け入れられていないことがわかります。
コンバージョン数は、ウェブサイトやアプリの改善点を見つけるためにも役立ちます。コンバージョン数が少ない場合は、ユーザーの行動を分析し、改善することが求められます。
⑧合計収益
ユーザーがウェブサイトやアプリで支払った合計金額を表すもので、ウェブサイトやアプリの収益性を測る指標としてよく用いられます。
GA4は購入イベントとともに収益情報を自動的に追跡し、これらの情報を「合計収益」としてレポートに反映できます。例えば、オンラインショップでは、各購入の価格が追跡され、その合計が「合計収益」として表示されます。
合計収益は、以下の計算式で算出されます。
コンバージョン数は、ユーザーがウェブサイトやアプリで行ったコンバージョンの数です。コンバージョン単価は、ユーザーがコンバージョンを行う際に支払った金額です。
合計収益は、ウェブサイトやアプリの収益性を測る指標として、また改善点を見つけるための指標として、貴重な情報を提供してくれます。
ページとスクリーンのまとめ
「ページとスクリーン」のデータを分析することで、ユーザーがウェブサイトやアプリでどのような行動をしているかを把握し、ユーザー体験を向上させるための施策を検討することができます。
ユーザー体験を向上させるための施策の例をご紹介します。
・ユーザーに見てほしいページが思ったよりも閲覧されていないことがわかったら、そのページへのサイト内の他のページからのリンクを増やす、あるいは目立つようにリンクを張る。
・ユーザーのエンゲージメントが低いページを発見したら、エンゲージメントを高めるためのコンテンツ(テキスト、画像、動画)を作成し、掲載する
・コンバージョン率が低いページを発見したら、コンバージョン率を向上させるために商品・サービスの活用方法や導入事例などのコンテンツを追加する
ランディングページ
GA4ではランディングページの人気ランキングを見ることができます。
ランディングページとはLPと呼ばれるもので、ユーザーが検索エンジンやウェブサイトにあるリンクをクリックして最初に訪問するページのことを言います。
ランディングページの人気ランキングを見るには、「エンゲージメント」→「ランディングページ」を選択します。
「ランディングページ」のランキングには、「ページとスクリーン」のデータと同様にセッション、ユーザー、新規ユーザー数、セッションあたりの平均エンゲージメント時間、コンバージョンなどのデータを見ることができるので各ランディングページのパフォーマンスを知ることができます。
サイト内のどのページがランディングページなのか、そしてどのランディングページが人気で、人気が無いのかを知ることは、ウェブサイトのパフォーマンスを評価する上で非常に重要です。これは、ランディングページはユーザーがウェブサイトと初めて接触するポイントであり、サイトとして企業としての第一印象を与えるページだからです。
エンゲージメント
GA4は訪問者のエンゲージメントも測定します。これには、訪問者がウェブサイトでどれくらいの時間を過ごしているか、どれくらいのページを閲覧しているか、訪問者がウェブサイトでアクションを実行する頻度などが含まれます。
ユーザーのエンゲージメントを示す項目は次のものがあります。
①セッションあたりの平均エンゲージメント時間
「ランディングページ」と「ページとスクリーン」のデータには各ページの「平均エンゲージメント時間」が表示されます。
セッションあたりの平均エンゲージメント時間が他のページと比べて相対的に短いページを発見したら、ユーザーエクスペリエンスを改善してエンゲージメントを高める方法を考えましょう。
ユーザーのエンゲージメントを高めるためには、テキストコンテンツがユーザーにもっとわかりやすくなるように編集することや、コンテンツの理解を助ける画像や動画の追加などが有効な施策です。
②サイト全体の平均エンゲージメント時間
各ページの平均エンゲージメント時間を改善することにより、サイト全体としての平均エンゲージメント時間が改善されます。
サイト全体としての「平均エンゲージメント時間」は、「エンゲージメント」→「概要」で見ることができます。
③イベント数
イベントでは特定のアクションや行動がウェブサイトまたはアプリ上で実行された回数を指します。これらのアクションや行動は「イベント」と呼ばれ、それらはユーザーがページを閲覧する、ボタンをクリックする、フォームを送信する、キーワード検索をするなど、ウェブサイトやアプリ内で行うさまざまなアクションを追跡するために使用されます。
GA4では、すべてのユーザーのアクションがイベントとして追跡されます。これには自動的に追跡されるイベント(ページビュー、セッション開始など)と、手動で設定したカスタムイベント(特定のボタンのクリック、特定のフォームの送信など)の両方が含まれます。
イベント数は、ユーザーがウェブサイトやアプリでどのような行動をしているかを把握するのに役立ちます。イベント数が多いほど、ユーザーがウェブサイトやアプリ上で積極的に行動していることがわかります。イベント数が少ないほど、ユーザーがウェブサイトやアプリに積極的に行動していないということがわかります。
サイト全体の「イベント数」は、「エンゲージメント」→「イベント」で見ることができます。
④コンバージョン
コンバージョンはある意味、サイト運営者が望む究極のエンゲージメントだと言えます。「変化」を意味する英単語で、ウェブサイトを訪れたユーザーが、サイト運営者が期待する最終的な行動を起こすことを指します。
コンバージョンには、商品の購入、資料請求、会員登録などがあり、コンバージョン率は、成約率と呼ばれることもあります。
GA4では、各種のコンバージョンを追跡し、そのデータを用いてユーザーの行動、購入パターン、サイトやアプリ内のエンゲージメントを理解し、ウェブマーケティング活動の効果を評価することができます。
ユーザーフロー
ユーザーフローは訪問者がウェブサイト内でどのような経路をたどっているかを視覚化します。これにより、訪問者が最も関心を持っているコンテンツや、ウェブサイトの特定の部分で訪問者が離脱してしまう傾向があるかどうかを確認できます。
ユーザーフローを見るには、「探索」→「経路データ探索」を選択します。そして、「イベント名」を「ページパスとスクリーンクラス」に変更するとユーザーがどのページを見て、その次にどのページを見ているのかがわかります。
そして任意のページパス、またはスクリーンクラスをクリックするとそのページを見たユーザーが次にどのページを見たのかがわかります。
サイトからの収益
「eコマーストラッキング」という機能を使用して、ウェブサイトからの収益を直接追跡することができます。
これにより、商品やサービスの売上、総購入者数、ユーザーあたりの平均購入収益額、アイテムの購入数などウェブサイトのパフォーマンスに関する重要な指標を追跡することができます。これらのデータを見ることによりウェブマーケティングの効果を評価することが可能です。
サイトからの収益のデータを見るには「収益化」→「概要」をクリックします。
最後に
以上がGA4で見るべき4つの重要ポイントです。GA4を使いこれらの情報を見ることで、ウェブサイト運営者はより深い洞察を得ることができ、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるための意思決定を行うことができます。
今後も全日本SEO協会では世界標準の重要ツールであるGA4をどのように活用すればSEOに役立てられるのかを研究し、随時発表していきます。まずはこの新しいツールの重要ポイント4つを日頃観察して自社サイトの現状を把握しましょう。