GA4で見るべき重要な4つのポイント【前編】
ウェブサイト運営者がGA4で見るべき4つのデータについて解説していきます。
GA4を使うことにより、下記の重要データを分析することが出来ます。
2.流入経路
3.サイト内の行動
4.サイトからの収益
この記事では上記4つから1.訪問ユーザーの属性と2.流入経路を分析し効果的に集客するための方法をここではお教えします。
訪問ユーザーの属性
訪問者の年齢、性別、地理的位置、言語、利用デバイス等を把握することができます。さらに、ユーザーがウェブサイトを訪れるために使用したブラウザやOS、デバイスの画面解像度など、技術的な情報も取得できます。
これらの情報は、ユーザーのプロファイルを理解し、それに合わせてウェブデザインやコンテンツ、マーケティング戦略を調整するのに役立ちます。
では、実際の属性情報を詳しく見ていきましょう。
①地理的位置
サイト訪問者の国名、都市等の地理的位置を知ることができます。
これにより、特定の地域からの訪問者の数を把握して、ターゲットユーザーの見直しをすることができます。
②言語
訪問者が主に何語を話すかを把握できます。
これにより、ウェブサイトの多言語対応の必要性を判断したり、特定の言語を話すユーザーに対するマーケティング戦略を計画するのに役立ちます。
③年齢と性別
訪問者の年齢範囲と性別を知ることができます。
これにより、ウェブサイトのデザインやコンテンツが特定の年齢層や性別のユーザーにとって魅力的であるか否かを考察し、必要によっては改善するための手掛かりになるでしょう。
④興味
訪問者がどのようなことに興味を持っているかがわかります。
この情報に基づいて、ターゲットユーザーのペルソナを調整したり、特定のジャンルに興味のある人にはどのようなウェブデザインやコンテンツを提供すべきかという方向性が見えてきます。
⑤利用デバイス
訪問者がどの種類のデバイス(デスクトップ、モバイル、タブレット)を使用してウェブサイトにアクセスしたかがわかります。
モバイルデバイスからのアクセスが多い場合、ウェブサイトがモバイルフレンドリーであることが重要になってきます。また、ユーザーが利用しているデバイスの画面の解像度もわかるので、どのようなサイズの画面でもコンテンツを見やすく表示するための手掛かりを得ることができます。
⑥ブラウザとOS
訪問者がどのブラウザやOSを使用してウェブサイトにアクセスしているかがわかります。
これにより、特定のブラウザやOSからの訪問者が多い場合、ウェブサイトがそれらの環境で適切に表示され、機能しているか確認するべきだということがわかります。
流入経路
流入経路を知ることにより、自社サイトに訪問ユーザーをもたらす効果的な流入元を特定し、そこにどれだけの経営資源を割り当てるべきかや、今後どのような流入元を開拓するべきかというヒントにもなります。
- 流入経路とは?
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流入経路とは自社サイトにどこからユーザーがやってきたか、そのアクセス元のことをいいます。
ポータルサイトにお店の情報やお店のサイトのリンクを貼ってもらい、ユーザーがそのリンクをクリックしてお店のサイトに訪問してくれたら、そのポータルサイトが流入元になります。
SNSにサイトのリンクを貼り、その投稿を見たユーザーがリンクをクリックし、サイトに訪問してくれたら、流入元はそのSNSになります。このようにリンクを貼るだけではなく、ユーザーがリンクをクリックし、リンク先に移動することを「流入する」といいます。
GA4の「ユーザー獲得」レポートを見ると、ウェブサイトを初めて訪問した新規ユーザーのウェブサイトへの流入経路を「チャンネルグループ」でおおまかに見ることができます。
チャンネルグループは全部で19種類あります。
チャンネルグループの種類
①Organic Search=自然検索
Google、Yahoo!JAPAN、Microsoft Bingなどの検索エンジンの自然検索結果欄からの流入です。
SEOの効果が出ていると上位に表示されるため、その効果を知るための指標となります。
②Paid Search=広告検索
ユーザーが検索エンジンのリスティング広告をクリックしてウェブサイトに到達した場合、このチャンネルが割り当てられます。
リスティング広告には、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告などがあります。
③Referral=参照元
検索エンジン以外のウェブサイトからの流入を表します。
他社のサイトからリンクを貼ってもらう活動がうまくいっているかなどの指標になります。
④Direct=直接
ユーザーが直接ウェブサイトのURLを入力した場合、またはブックマークからアクセスし、流入した場合を表します。
知名度が高い人気サイト、人気企業であるほどDirectの割合が高い傾向があります。
ウェブマーケティングを実施した結果、自社の知名度が高まっているかを知る指標になります。
⑤Organic Social=自然ソーシャル
広告以外のSNS、ソーシャルメディアからの自然な流入を意味します。
SNS等のソーシャルメディアの活用がうまくいっているかなどを知る指標になります。
⑥Paid Social=有料ソーシャル
ソーシャルメディアプラットホーム(Twitter、Instagram、Facebookなど)上での有料広告からの流入を示します。SNSの広告キャンペーンを通じてウェブサイトに訪れた場合です。
この項目を見ることで、ソーシャルメディア広告のパフォーマンスを測定できます。
これにより、どのSNS広告が最も集客に貢献しているのか、広告予算をどのように配分して最適化すべきかを判断できるようになります。
⑦Organic Video=自然ビデオ
動画プラットフォーム(Youtube、Vimeoなど)からの広告以外のコンテンツからの流入を指します。
このトラフィックはビデオの概要欄などにウェブサイトへのリンクが含まれていて、そこからユーザーがサイトに訪れる場合に生じます。
Youtubeの場合は通常、動画検索結果や関連動画から獲得したトラフィックになります。
この数値により、どれだけ動画プラットフォーム内での露出があり、そこから効果的に自社サイトに誘導できているかを判断できます。
⑧Paid Video=有料ビデオ
YoutubeやVimeoなどの動画プラットフォームに掲載した有料広告からの流入を計測します。これは、動画広告や動画内でのプロモーションリンクなどから、ウェブサイトに訪れた場合です。
動画広告が普及するにつれて、ウェブサイトの流入経路と重要性は高まりつつあります。
⑨Display=ディスプレイ広告
ディスプレイ広告(バナー広告など)からウェブサイトへの流入を示します。
ディスプレイ広告にはGoogleのディスプレイ広告、Yahoo!広告のディスプレイ広告などがあります。
⑩Affiliates=アフィリエイト広告
アフィリエイト広告を通じて発生したウェブサイトへの流入を指します。これは他のウェブサイトやブロガーなどのアフィリエイトパートナーが提供するリンクからウェブサイトに来た訪問者のことです。
このデータを見ることにより、アフィリエイトプログラムをどのように調整し、最適化するべきかを判断するのに役立ちます。
⑪Email
メールマガジンや顧客に痩身したメールに記載されたURLからウェブサイトに訪れた場合を示します。
このチャンネルの比率が高ければ、メールマガジンやメールが効果的にサイトに誘導できていることになります。低ければ、配信頻度を改めたり、メールの内容を改善するなどを判断することができます。
⑫Organic Shopping=自然ショッピング
Googleショッピング検索からの流入を指します。
Googleショッピング検索とは、Google検索で商品を検索したときに表示される検索結果です。
⑬Paid Shopping=有料ショッピング
ショッピング広告からの有料トラフィックを追跡します。
これはGoogleショッピングやAmazon広告等のショッピングプラットフォームでの広告をクリックしてウェブサイトに来た訪問者を指します。
このデータにより、どの商品広告が最も効果的であり、広告予算の配分などの判断の指標になります。
⑭Audio
ポッドキャストやオーディオブックなどのオーディオコンテンツからウェブサイトへの流入を指します。
具体的にはオーディオコンテンツ内の広告、またはリンクを通じてユーザーがウェブサイトに訪れると、そのセッションはAudioチャンネルに割り当てられます。
⑮SMS=ショートメッセージサービス
ショートメッセージサービスで送信されたリンクからウェブサイトに訪れたトラフィックです。
SMSは、携帯電話の短いテキストメッセージを送受信するサービスで、モバイルマーケティングにおいて、顧客にメッセージを送信するための効果的な手段として使用されています。
SMSは、メールよりも開封率が高く、即時性が高いため、顧客に迅速かつ効果的にメッセージを届けることが可能です。また、テキストのみのメッセージのため、コストを抑えることができます。
⑯Mobile Push Notifications=モバイルプッシュ通知
モバイルアプリのプッシュ通知に含まれるリンクをクリックしてウェブサイトに訪れた場合です。
プッシュ通知はユーザーがモバイルアプリを開いていないときでもデバイスに直接メッセージを送る機能で、新しいコンテンツ、特別なオファー、アプリのアップデートなどを通知するのによく使用されます。
⑰Cross-network
Googleの広告ネットワーク間でリンクされたキャンペーンを示します。
具体的には、Google広告やYoutube、ディスプレイ広告などのGoogleの広告プラットフォームを横断して実行されるキャンペーンを指します。
この設定をすることによりユーザーが異なる広告ネットワークを通じてサイトに到達した場合、その情報を総合的に把握できます。
⑱Other Advertising=その他広告
Google広告やYahoo!広告などの検索エンジン広告以外の広告チャネルを指します。
これには、ディスプレイ広告、ソーシャルメディア広告、リターゲティング広告、動画広告、アプリ広告、メール広告、アウトドア広告、印刷広告、ダイレクトメールなどがあります。
⑲Other
他の特定のチャンネルグループに分類されないトラフィックを指します。
これは特定のソース、メディア、またはキャンペーンからのトラフィックが明確に定義されていない場合、またはその他のチャンネルに該当しない場合に分類されます。
さらに細かく流入経路を見る方法
1.どのドメインのサイトからの流入かがわかる方法
「ユーザー獲得」レポートの画面の「最初のユーザーのデフォルトチャンネルグループ」の右にある+ボタンをクリックして、「トラフィックソース」 → 「ユーザーの最初の参照元」を選択するとどのドメインのサイトからの流入があったのかがわかります。
2.どのURLからの流入かがわかる方法
「管理」→「カスタム定義」→「カスタムディメンションを作成」でカスタムディメンションというものを設定する必要があります。
「カスタムディメンション」とは、GA4で自動収集されるイベント以外のデータに独自の分析軸を設定し、レポートで分析できるようにする機能です。
記入欄には「ディメンション」、「説明」を記入し、「イベントパラメータ」として「page_referrer」を選択して保存ボタンを押します。
カスタムディメンションを設定してから通常24時間〜48時間以内に設定が反映されます。
設定が反映されたら、「ユーザー獲得」レポートの画面の「最初のユーザーのデフォルトチャンネルグループ」の右にある+ボタンをクリックして、「カスタム」 → 「参照元URL」を選択すると、どのURLから流入があったのかがわかります。
流入経路によってわかること
これらを活用することによりウェブサイトの訪問者数の最大化を目指すことができます。「ユーザー獲得」レポートを見た時に3つか4つしかチャンネルグループが表示されない場合は、サイト訪問者数を増やす取り組みが不十分だということを意味します。
ウェブマーケティングで実施可能な施策(例:SEO、SNS、YouTube、メールマガジンの活用等)を思い出してなるべくたくさんの施策を打つようにしましょう。