アルゴリズムの歴史
Google検索アルゴリズムとは
Google検索アルゴリズムとは、Googleでキーワードを入力し検索した時、結果として現れるサイトの掲載順位を決めるプログラムのことを言います。
インターネット上に数多くある全てのサイトを適正に公平に評価するために、評価基準は約200項目存在すると言われており、その評価によって掲載順位が決まります。
主なGoogleのアルゴリズムについて
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MFI(Mobile First Index)
これまでは何かの情報を得る際、パソコンによる検索が主流でしたが、スマートフォンの普及により、モバイルによる検索が主流になりました。その結果、評価基準がデスクトップ用のページからモバイル用のページに変わりました。
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QDF(Query Deserves Freshness)
「検索は新鮮さに値する」という意味で、常に最新の情報が検索上位に表示される傾向にあるというものです。トレンドを追った情報を提供している情報サイトやブログなどにとって、重要なアルゴリズムと言えるでしょう。
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QDD(Query Deserves Divercity)
「多様性のある検索結果」という意味で、同種のサイトばかりが検索結果の1ページ目を独占することを防ぎ、多様なサイト(ポータルサイト、企業サイト、比較サイト等)が2〜3サイトくらいずつ表示されるようにしているのではないかと言われています。
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MUM(Multitask Unified Model)
今後はAIの機械学習が発達し、ユーザーが直接求める情報が獲得できるだけでなく、Googleが検索意図を最大限汲み取り、サーチアシスタントをしてくれます。
アルゴリズムの歴史
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2011年パンダアップデート
パンダアップデートとはWEBサイトが検索ワードに関する情報を適切に提供しているかを判断するために行われたアップデートです。
サイトの品質が順位に影響するのが特徴であり、ユーザーにとって低品質のWEBサイトは順位が下がり、高品質であれば順位が上昇します。
では、具体的にどのようなサイトが低品質と見なされたでしょうか?
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自動生成されたコンテンツ
プログラムによって生成されたコンテンツ。多くの場合、読者にとって意味を持たないが、特定のキーワードを含むでたらめな内容の段落で構成されているもの。
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誘導ページ
ユーザーを特定のページに誘導するために作られたページ。特定のキーワードやフレーズ用に作成された品質の低いページの集まり。
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無断複製されたコンテンツ
評判の良いWEBサイト、ページのコンテンツを流用しているもの。ページを増やすために、第三者のコンテンツを複製して掲載、あるいは複製して、わずかに情報を入れ替え掲載されたもの。
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付加価値のないアフィリエイトサイト
商品アフィリエイトリンクを含むページで、商品の説明とレビューを元の販売者から直接コピーし、独自のコンテンツや付加価値を加えることなくそのまま掲載しているもの。
今後もユーザーが求める、より良質なコンテンツが検索上位に表示されるように、パンダアップデートは継続して行われています。
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2012年ヴェニスアップデート
ヴェニスアップデートとは、ユーザーが検索している場所の位置情報を生かして、最適な検索結果を表示するアルゴリズムです。2012年に実施され、日本では2014年12月に反映されました。
具体的には「ラーメン」と検索した場合に、調べる場所によって、異なる検索結果がユーザーに表示されるということです。
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2012年ペンギンアップデート
ペンギンアップデートの特徴を一言で言うと、ウェブサイトの過剰なSEO対策に対してペナルティーを与えるアップデートです。
ペナルティー対象になった主な要素は下記2つです。
①上位表示を目指すキーサードを、ページ内に過剰に詰め込むこと
②質が低い被リンクを大量に増やすことペンギンアップデート導入前は、SEO業者等が外部リンクを貼るためだけに作ったサイトからの被リンクを大量に集めるだけで、検索順位が上がるということがよくありました。
そのような不正に対応するため、SEO業者等から購入したリンクや、価値の低いリンクが見つかった場合、ネガティブな評価を与えるようになりました。 その結果、被リンクの購入などが抑制され、被リンク元の質も見られるようになりました。
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2013年ハミングバードアップデート
2013年9月に行われたアップデートで、ユーザーが本当に求めている検索結果を表示するために、個々の単語ではなく、複雑な検索キーワードで検索されても、検索フレーズ全体の意図を読み取ることにより、正確な検索結果を提供できるようなりました。
「池袋駅周辺のカフェ」など、会話調の長文検索への対応や、siriやAlexaなどの今後ますます増える音声検索に対応するためのものだと言われています。
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2014年パイレーツアップデート
パイレーツアップデートは、2014年10月に実施されたもので、著作権侵害を行っているサイトを専用フォームで一般ユーザーから申告してもらい、そういうサイトの検索順位を下げたり、検索結果に表示させなくするためのアップデートです。
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2015年モバイルフレンドリーアップデート
スマホ対応しているサイトの評価を上げるアップデートで、2015年4月に実施されました。その結果、スマホ対応していないサイトの順位が下がるようになったため、このアップデートでWebサイトのスマホ対応が進むきっかけとなりました。
スマホでの見やすさと使いやすさを改善することが大事で、モバイル端末でも読みやすいよう文字のサイズを調整したり、タップしやすいようにボタンのサイズを調整しているかなど、スマホでの表示とユーザビリティが最適化されているかが重要になります。
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2015年クオリティアップデート
クオリティアップデートとは、Googleがコンテンツの品質向上を目的に評価に関するアルゴリズムのアップデートで、2015年5月に実施されました。「クオリティアップデート」という言葉はGoogleの正式名称ではなく、Search Engine Land(ニュースサイト)が命名しました。
内容的にはパンダアップデートに似ており、「広告・リンク・複製が多くオリジナルコンテンツが少ない」「自動リンクプログラムといった検索エンジンを欺く行為」などを行う、低品質なサイトの評価を下げるものと考えられています。
クオリティアップデート以降は、さらにコンテンツの品質が低いサイトの検索順位が下がるようになりました。
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2015年ランクブレイン
ランクブレインとはユーザーが検索した語句に合わせて、AIを用いて適切なサイトを検索結果に表示させているランキングアルゴリズムのひとつです。
検索された語句の意味を推測し、類似した意味を持つ単語を見つけて関連する結果を提供するという高度な処理が可能になりました。
「ここから一番近いラーメン屋どこ?」という会話的で曖昧な質問でも処理が出来るプログラムです。
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2017年医療アップデート
医療アップデートとは医療や健康にまつわるアルゴリズムのアップデートです。2017年12月に実施されました。「医療アップデート」という名前はGoogleの正式名称ではなく、一般的にそう呼ばれるようになりました。
その名の通り、医療や健康の検索ワードにおいて、専門性・信頼性の高い情報を上位表示させ、逆に信頼できないサイトの順位を下げます。
(医師や公的機関から認められた情報であるかどうか等)アップデート対象は医療や健康(サプリ等も)の検索ワードでしたが、今後はそれ以外に対しても継続的に改善を加えていくとしており、その対象として「YMYL」が関わってくると言われています。
YMYLとは「Your Money Your Life」の略で、金融やお金にまつわる情報のことを指し、Googleの「検索品質評価ガイドライン」の項目の一つです。
お金の場合は投資やクレジットカードなど、人の人生を左右する検索ワードが対象となり、それに関わるWebサイトは、一般のサイトよりも信頼性の高い情報を提供する必要が求められることになりました。 -
2018年コアアップデート
コアアップデートは「コアアルゴリズムアップデート」の略で、2018年8月にはじめて実施され、2019年3月、6月、9月と、それ以降も複数回にわたって実施されているアップデートです。
コアアップデート実施後は、検索ワードと関連性の高いページの検索順位が上がり、関連性の低いページの検索順位が下げられるようになりました。
コアアップデートに対応するためには、次の2つの対策が有効であるということが、数々の検証の結果明らかになっています。- サイト内に検索ワードと関連性のある情報が十分あるかを確認して、少なかったら増やす。
- 検索ワードと直接、関連性のない情報があったらそれらを削除する。
コアアップデート実施前は、検索ワードと関連性の低いサイトであっても、他の要因の評価が高ければ検索順位が高くなり、関連性が高くても他要因の評価が低いと、上位表示されにくいという矛盾が生じていました。
コアアップデートを実施することにより、検索エンジン本来の役割である「検索ワードと関連性の高いサイトの検索順位を高くする」ことに成功しました。
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2019年BERTアップデート
BERTアップデートとは、検索ワードのニュアンスや文脈を理解して、より関連性の高い検索結果を表示するためのアルゴリズムのアップデートのことです。2019年10月に実施されました。「BERTアップデート」という名前はGoogleの正式名称ではなく、SEO業界ではそう呼ばれるようになりました。
「BERT」とは「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の略称であり、自然言語処理技術のことを意味します。 BERTの導入によって、長い会話のような検索クエリや、for(〜のため)、to(〜へ)、などの前置詞が重要なクエリなど、複数の単語で構成されるクエリに対する検索の精度が強化されました。
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2019年ローカル検索アップデート
正式名称は「November 2019 Local Search Update」。
Googleの公式発表によると、ローカル検索結果の順位を決めるためにニューラルマッチングの利用を2019年11月に開始。単語がどのように概念に関連しているかを、より理解出来るようになるとのことです。ニューラルマッチングとは、Googleが2018年から使い始めたAIをベースとしたシステムで、単語が持つ本来の意味だけでなく、より曖昧な単語の概念を理解し(類義語辞典の感じ)、ユーザーの意図やニーズを汲み取って検索結果に反映させるということです。
(例)
「整体 池袋」で検索「整体」という単語の意味に近い「整骨」や「鍼灸」などのキーワードで書かれたページでも上位表示しやすくなりました。
ページ内に無理に関連性の高い用語を詰め込む必要がなくなり、1つのキーワードに特化した内容だけを書いたとしても、それに関連する検索ワードでも、評価してもらえるようになりました。
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2021年ページエクスペリエンスアップデート
2021年6月中旬から8月末にかけて、段階的に導入されたページエクスペリエンスアップデート。このアップデートでは、ユーザー体験(ユーザーエクスペリエンス/UX)がWebサイトの評価基準となりました。
具体的にはユーザーがWebページで行った操作に対する反応速度(FID)や、レイアウトの安定性(CLS)、コンテンツの読み込みパフォーマンス(LCP)といったCore Web Vitalsが評価指標として追加されました。 -
2021年MUMアップデート
正式名称は「Multitask United Model」。
MUMアップデート(マルチタスク総合モデル)は複数のタスクを同時に処理できるアルゴリズムです。動画や音楽を含むさまざまなソースを使用し、75以上の言語で読み、理解し学習できます。これまで何度か検索しなければならない事柄に対しても、多方面から結果をもたらします。 -
2021年スパムアップデート
2021年、スパムアップデートは数回にわたって実施されました。
Googleは悪質なWebサイトに抜け道を見つけられないよう、アップデート内容は公表していません。
しかし、クオリティの低いコンテンツを発信していたり、不自然な外部リンクが見られたりといった「ユーザーにとって有益ではないスパムサイト」が全般的に対象になっていると推測されます。 -
2022年ページエクスペリアンスアップデート
2022年2月から3月にかけて、パソコンからの検索でもページエクスペリエンスアップデートが適用されるようになりました。
モバイルと同じくCore Web Vitalsが評価指標として導入されたほか、httpsに対応しているかどうかも評価基準となります。
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2022年ヘルプフルコンテンツアップデート
ヘルプフルコンテンツアップデートは、訪問者に満足感を与えるコンテンツを高く評価し、逆に期待に応えていないコンテンツとの差別化を図ることを目的としたアップデートです。
検索エンジン第一のコンテンツではなく、ユーザーにとって本当に有益なサイトが見つかりやすくするなるようです。
ヘルプフルコンテンツアップデートは、SERPs(Search Engine Result Pages=検索結果ページ)を整理し、質の低いサイトの順位を下げたり、削除して、より多様な要望に応えるための継続的な取り組みを表しています。
とくにこのアップデートは、質の低いコンテンツを多く含むWebサイトに影響を与えるでしょう。その結果、検索でのパフォーマンスが低下する可能性があります。
コアアルゴリズムのアップデートについて
検索アルゴリズムの中でも根幹を担うアルゴリズムを「コアアルゴリズム」と呼びます。
コアアルゴリズム以外はほぼ毎日修正が行われており、その修正により順位は常に少しずつ変化しています。しかし、コアアルゴリズム以外のアップデートによる影響は大きいものではありません。
コアアルゴリズムをアップデートが行われるということは、検索順位を決める土台部分が変わるということなので、これまでのルールが大幅に変わることになります。
コアアルゴリズムアップデートの対策
コアアルゴリズムのアップデートの影響を受けないようにするには、良質なコンテンツを作る必要があります。良質なコンテンツを継続して提供していれば、アップデートで悪い影響が出る可能性は低いと言えるでしょう。
ここではアップデートの対策を紹介していきます。
コンテンツの質を向上させる
ユーザーのニーズに合ったコンテンツを増やすことが大切です。
見やすいコンテンツを作成する
ユーザーにとって見やすく、扱いやすいコンテンツを作成し、Webサイトの利便性を高めることが大事です。特にモバイル対応は必須と言えます。
オリジナル性の高いサイトにする
独自の価値を取り入れ、オリジナル性の高いサイトにしましょう。他のサイトと似たような内容のWebサイトは低評価を受ける可能性があります。
E-E-A-Tを高める
コンテンツは検索意図を高める以外にE-E-A-Tを高めることによって、Googleから高い評価を受けやすくなります。
E-E-A-Tは、GoogleがWebサイトの評価をする時に使う評価軸です。
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Experience(経験)
コンテンツの制作者が、取り扱っているテーマについての実体験や、経験をどの程度持っているかが考慮されます。
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Expertise(専門性)
Webサイトやページ、コンテンツ、作成者がトピックに専門的かどうかが評価されます。しかし、専門性といっても資格などを問うものでなく、トピックに対して詳しく言及されているかどうかという観点で評価されます。
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Authoritativeness(権威性)
Webサイトやコンテンツの作成者がトピックにおいて多くの人に認められている存在なのかという点が重視されます。
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Trustworthiness(信頼性)
フェイクニュースなど、信頼できないコンテンツではないか、信頼できるコンテンツであるかどうかが重要になっています。
特にYMYLにおいて必須のポイントとなっています。