2024年3月 コアアップデートについて
コアアップデート+スパムアップデート
Googleは2024年3月6日に「March2024 core update」と呼ばれる、コアアップデートとスパムポリシーを発表しました。
このアップデートは、クリック数を稼ぐことだけを目的としたコンテンツを検索結果から減らし、ユーザーにとって実際に有益なコンテンツをより多く表示させることを目的としたものです。
また、Googleの検索結果に悪影響を及ぼす可能性のある行為に厳しく対処するため、新たなスパムポリシーも導入されました。
《出典》2024年3月のコアアップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと https://developers.google.com/search/blog/2024/03/core-update-spam-policies
この公式発表によると、今回実施されたコアアップデートは通常よりも複雑で、複数のコアシステムに変更が加えられ、コンテンツの有益さを判定する方法を進化させたようです。
- コアシステムとは
- 「コアランキングシステム」と呼ばれるもので、Googleが2022年11月21日に「Google検索ランキングシステムのご紹介」というページで公開した、検索順位を決めるしくみのことです。
コアアップデートについて
アップデートの完全な展開には最大で1ヶ月かかる可能性があり、通常のコアアップデート時よりもランキングの変動が多くなるようです。
アップデートにこれまでの期間を要するということは、Googleが重要視する3つの要素が全て反映されると考えています。
1.関連性が高いか
2.検索意図を満たしているか
3.E-E-A-Tの基準を満たしているか
1.関連性が高いか
これは検索エンジンとして最も重要な基準です。
例えば、パソコンをネットで購入しようとする人が「パソコン 通販」と調べた時、パソコンの歴史や、パソコンの解説のページが上位表示され、本当に見たいネットショップになかなかたどり着けなかったり、たどり着けたとしても、パソコンではなくテレビやスマートフォンなどが表示されたら、ユーザーはガッカリしてしまうはずです。
検索ユーザーのニーズを満たすために、Googleは検索キーワードと関連性の高いページを上位表示させることを重要視します。
2.検索意図を満たしているか
これは検索ユーザーが期待している情報の中身(コンテンツ)のことです。
検索ユーザーの「問い(検索キーワード)」に対して、サイト運営者が「答え(求めているページ)」を出せているのかが、Googleが上位表示するにあたって、重要になります。
ではどのようにしてユーザーの検索意図を知ればよいのでしょうか?
- 検索ユーザーの検索意図を知るには
- 実際に自分が上位表示を目指す目標キーワードで検索し、どのようなページが上位表示しているのかを見てみるとわかりやすいと思います。(文章・ページ構成を確認)
目標キーワードでの上位表示ページの構成を調べてみると、上位10位は検索意図を満たす構成で作成されたページになっていることが多かったです。
【例】
「貧血」でGoogle検索をかけてみると上位表示しているページのほとんどが、下記のような構成でした。1.貧血とは?
2.原因
3.対処法・予防法
3.E-E-A-Tの基準を満たしているか
E-E-A-Tとは次の4つを表します。
E:expertise(専門性)
A:authoritativeness(権威性)
T:trust(信頼)
要するに、経験、専門性、権威性がコンテンツ内にあると信頼できるコンテンツだとGoogleが判断するということです。
- experience(経験)
- コンテンツの著者の経験に基づいた記事になっているかをチェックするもので、著者が実際にコンテンツ内で書かれている場所を訪れたことがあるか、自分の経験を伝えているか等を評価するものです。
この基準を満たすためには、コンテンツ内に著者の経験に関する情報を含める必要があります。
著者の経験に基づいたコンテンツは読者に対して説得力が高いため、近年は重要視される基準となっています。
- expertise(専門性)
- 専門性とは、ウェブサイトやコンテンツの作成者が特定の分野の専門家として認められる性質を持っているかということです。
この性質をGoogleやユーザーに認めてもらうためには、その分野での職歴や学歴、または豊かな経験があり専門知識があることをウェブページ内、あるいはそこからリンクされたページ上で最大限アピールする必要があります。
具体的には、ウェブページ内の目立つ部分にコンテンツの著者の肩書や氏名を載せること。そして、氏名をクリックすると著者プロフィールページにリンクを貼ることが効果的です。
- authoritativeness(権威性)
- 権威性とはウェブサイトやコンテンツの作成者は、特定の分野において多くの人に認められている存在であるかということです。
権威性を認めてもらうために効果的な方法のひとつは、その分野で権威のある団体、組織、学術機関、企業などのサイトからリンクを貼ってもらい、紹介してもらうことです。
直接リンクを貼ってもらうことが難しい場合は、それらのサイトからリンクを貼ってもらっているサイトから、リンクを貼ってもらうことでも効果が期待できます。
Google検索が普及し、人気が増すにつれてGoogleの影響力は大きくなりました。その影響力は、かつてのテレビや新聞などのマスメディアと同等かそれ以上になったと言っても過言ではありません。
そのため、Googleは自社の検索ユーザーを保護するために、検索結果ページに信憑性の乏しいサイトへのリンクを極力載せない、載せたとしても上位ではなく、下位に表示させようと努力するようになりました。
E-E-A-Tの高さが特に要求されるジャンルはGoogleが好評している資料、General Guidelines(品質評価ガイドライン)によると、YMYL(Your Money Your Life:人々の経済と生活)に関わるジャンルだということです。
具体的には、金融、美容、健康、医療、法律、ニュース等、人々の経済と生活に深刻な影響を与えるものです。
なぜこれらが、人々の経済と生活に深刻な影響を与えるのかというと、検索結果ページに表示されたサイトを見に行ったユーザーが、そこに書かれている誤った金融情報を信じてしまい、全財産を失ったりする可能性があるからです。
間違った医療情報を信じてしまったユーザーが健康を害してしまい取り返しのつかないことになることもあり得るでしょう。
Googleは信頼できるコンテンツかどうかを、アルゴリズムだけでなくスタッフがGoogle General Guidelines等のマニュアルに基づいて目視でチェックしていると言われています。
憶測や推測だけでコンテンツを作ることを避け、経験やデータ等の根拠に基づいた記事を書くことが重要になります。
他にもアップデートで変化があったものは次のような点です。
今回のアップデートでは作りっぱなしではない、更新されている専門サイトの順位が上がってきています。 サイトに新しいページを追加する頻度は、最低でも月4ページ、できれば6ページ追加しましょう。 毎月4ページ追加しているサイトは、アクセス数が減らずに維持することができています。 毎月6ページ追加しているサイトは右肩上がりでアクセス数が増えるようになっています。 そしてそれによりこれまで上位表示できなかった難易度が高い目標キーワードでの検索順位が上がってくるようになります。
尚、企業の公式サイトでも、ページを増やすことで検索順位が上がったケースも見られるので、月4〜6で新しいページを追加するのが良さそうです。
スパムポリシーについて
Googleの新しいスパムポリシーは、Googleの検索結果の質に悪影響の可能性があるサイトを対応するためのものです。
具体的には期限切れドメイン、大量コンテンツ、サイト評判の乱用に対する新しいポリシーが導入されています。
これらのポリシーに違反するサイトは今回のスパムアップデートにより、検索結果でのランキングが下がるか、全く表示されなくなる可能性があります。
1.期限切れのドメインの乱用
スパムアップデートの内容のひとつは、期限切れドメインの濫用に対するペナルティーです。
期限切れドメインの乱用とは、他者が以前使った後、手放した期限切れのドメイン名を検索ランキングを操作する目的で購入し、ユーザーにとってほとんど(いや、全く?)価値のないサイトを運営することを指します。
いわゆる、オールドドメインと呼ばれる古いドメインを自社サイトに紐づけて、新しいサイトを古いサイトに偽装するという手法です。
今後、サイトを作成するときは、誰も使ったことのない真っさらなドメインを使用するようにしましょう。
これまでオールドドメインでサイトを作ってきた方は、それに頼らず、新しいドメインだと思って、ユーザーにとって有益なページを作ることを目指しましょう。
オールドドメインをたくさん購入しているけど、使用していない方は、それらのドメインを更新しても意味がないので、更新はしないことをお勧めします。
大量コンテンツの乱用
検索ランキングを操作する目的で多数のページを生成する行為です。ユーザーにとって、ほとんど意味のないページのため、評価されません。ページを作る目的はユーザーの何らかの課題を解決するものである必要があります。
過去に作成したページが厳しくチェックされるため、全て見直して、更新または削除、統合しましょう。
基準は主に下記になります。
②削除すべきページ:現在のサイト訪問者が見たときに意味がないページ
【例】何ヶ月も前の新着情報や今のユーザーが見ても内容が古すぎて役に立たないページ
③統合すべきページ:現在のサイト訪問者が見たときにある程度役立つページだが、文字数が少ないページ
サイトの評判を乱用すること
第三者のページがサイトの目的とは独立して、またはサイトの所有者の密接な監督や関与なしに公開され、検索ランキングを操作する目的で利用される場合を指します。
いわゆる信頼性が高いとGoogleから評価されている自社ドメインの一部を他人に貸し出すという不正テクニックで「寄生サイト」や「ドメイン貸し」と言われるブラックハットのSEOテクニックです。
検索で上位表示しているサイトのドメインネームにレンタル料金を払って、サブドメイン、サブフォルダを借りてGoogleの上位表示を目指すという行為がドメイン貸しという不正テクニックです。
- ドメイン貸しの例
- sugoi-clinic.com というサイトがGoogleから高く評価され、難易度が高いキーワードでも上位表示しているとします。
その場合、このドメインの持ち主とは違う、他人がてっとり早く上位表示するためにサブドメインの
「yabai.sugoi-clinic」や「sugoi-clinic.com/yabai/」などでサイトを開くためにお金を払うという不正なテクニックです
このような非常にずる賢い手法も、今回のスパムアップデートにより、完全に無効化になった可能性があります。
今回のアップデート後からはこれまでの検索結果の上位を独占していた多くのまとめサイト、比較サイト、ランキングサイトの検索順位が落ちてきているようです。
こうした「まとめサイトなど」が上位表示されていたため、多くの企業の検索順位が下がっていましたが、今回のアップデートでは、いくら内容がしっかりしていて信頼できる運営社が運営しているサイトでもサブドメインなどを使用している「まとめサイトなど」は上位表示出来なくなってきています。